PICKUP薬局

PICKUP.44
栄養相談だけでなく売り場の監修まで 薬局内で活躍する管理栄養士

東京都 練馬区
なの花薬局 大泉学園店

保険薬局は、医療機関で発行された処方箋を持参して薬を受け取る場所というイメージがあり、処方箋無しで利用することに敷居が高く感じる人も少なくないのではないでしょうか。
最近の保険薬局では管理栄養士による健康相談ができる場所が増えており、薬剤師だけでなく栄養士も活躍する場となっています。
今回はなの花薬局大泉学園店様で勤務されている、管理栄養士の若園様(以下敬称略)、およびブロック長の本廣様(以下敬称略)より、薬局で勤務する管理栄養士の活躍に関してお話を伺いました。

―管理栄養士として、薬局内ではどのようにご活躍されているのですか?

若園 基本的には地域住民や薬局利用者を対象とした栄養相談をはじめ、日々の健康づくりに役立つワンポイントアドバイスや、食習慣を改善したい方への継続的なサポートといった栄養士としての業務が中心です。
また、薬局内で管理栄養士監修の売り場コーナーを管理しており、こちらは最近改修をしてからかなり評判が良くなりました。
栄養士としての業務の他には、調剤のサポートもできるように調剤アシスト研修も受講しており、薬局内の業務に幅広く対応できるようにしています。
弊社「株式会社なの花東日本」は約110店舗を運営していますが、管理栄養士は常勤で6名ほどです。
エリア単位で広く活動していますので、栄養相談の需要や定期イベントがあると栄養士が現地に派遣されることもありますね。
実績はありませんが、依頼があれば東京から静岡まで出張できるよう体制を整えています。

栄養相談室の様子

―栄養相談ではどのような相談を受けることが多いですか?

若園 応じる相談はさまざまではありますが、特に多いのは生活習慣病関連ですね。
薬を飲んでいるときこそ、自身の健康を気にされる方は多いと感じます。
薬剤師から患者さまへヒアリングを行い、栄養士につなげることもありますし、処方箋をみて栄養士から患者さまへアプローチをすることもあります。
薬局内の栄養相談の案内ポスターをご覧になった患者さまから、声をかけて頂くこともありました。

利用者の目に入りやすい場所にポスターを掲示

―栄養相談以外のこともぜひお聞かせください。
最近改修された、管理栄養士監修の売り場とはどのような商品があるのでしょうか?

若園 当薬局は、健康サポート薬局として一般用医薬品を豊富に取り揃えているほか、管理栄養士監修の売り場では健康食品だけでなく、利用される患者さまは高齢の方が多いため、介護用品や栄養補助食品も取り扱っています。

なの花薬局大泉学園店様の売り場コーナー

若園 売り場コーナーは、3か月前に棚什器を入れ替え、レイアウトも変更しました。
商品の陳列を整えて、地域のニーズに応えてマイナーなものを薬局においていきたいと思い、より充実した売り場を実現させたかったことがきっかけです。

―元々は今よりも小さい売り場だったのでしょうか?

若園 以前は規模的にはもっと大きく、今より商品の量が多かったのですが、利用者に分かりやすく症状やテーマごとの陳列を意識したレイアウトに改修し、薬剤師や登録販売者が患者さまにお勧めしやすい商品を選定しています。
棚の位置を患者さまが待合室で座って待っているときに目に映りやすい場所に配置転換したことも良い方向に働き、窓口に呼ばれた際についでに商品を手に取ってきてもらえることが増えたと思います。

―棚の入れ替えや売り場コーナーの改修を行ったことが良い方向に働いているのですね。

若園 新しい棚は奥行きが浅く、ひな壇状になっているため、少量の商品でも見栄えよく陳列できる点が気に入っています。また、棚の下にある収納スペースで在庫管理ができるので、管理面での手間が減り、とても便利になりました。

ひな壇状になっており、商品を見栄えよく並べられるとのこと

本廣 棚の見た目も木目調で店舗の雰囲気にフィットしていることも結構気に入っています。
以前の棚は無機質な印象で今よりも高さがあったので、商品が広がって陳列されていました。

若園 70代の患者さまが多い当薬局にとって、棚の背が低いことは利用者側としても使いやすくなったかなと感じています。

―売り場コーナーで売り上げの良い商品、利用者から評判の良い商品などはございますか。

若園 ポップの作成には工夫を凝らしており、栄養士がおすすめしている旨と特徴を記載した商品は特に売れていますね。具体的な商品だと低糖質低カロリー系の商品などが人気です。
他には、なの花薬局のプライベートブランド商品ののど飴も好評を頂いています。弊社のキャラクター「Na-No」がデザインされていて、可愛らしいパッケージになっています。

手書きのポップ付きの商品

なの花薬局様のキャラクター「Na-No」がデザインされたのど飴

―売り場の改修前後では売り上げにどれくらい影響がありましたか?

若園 売り場の改修前後の3か月を比較してみたところ、売り上げは3割増しになっていました。当初は5%アップが目標だったので、かなり大きく変化していて驚きました。

―数字で見ると影響がはっきりとわかりますね。
薬局内での栄養士の存在は今後より重要なものとなっていきそうです。
薬局で働く管理栄養士の目線から、今後薬局にはどのような変化が求められるとお考えですか。

若園 昨今では、オンライン診察等の増加により門前薬局という概念がなくなるのではないかと言われているので、利用者に選ばれる薬局になるためのサービス体制が重要になってくると考えています。
選ばれる薬局になるためのツールのひとつとしては、LINE公式アカウント「つながる薬局」というLINEで患者さんとやり取りできるサービスを導入しています。
チャット形式による質問のやりとりだけでなく、薬剤師はこれで服薬指導ができるほか、健康相談も対応しています。

―利用者目線でも便利な点が多そうですね。
管理栄養士として今後の目標はありますか?

若園 栄養士の働きや地域での活動を大事にして、薬を渡すだけの薬局になるのではなく存在感のある薬局を作っていきたいですね。かかりつけ薬剤師の必要性もどんどん発信していきたいです。
まだ薬局に栄養士がいることは広く認知されていないので、知って頂くことから始めていくために、地域の活動に積極的に参加していくことや、地域の医療職にも薬局に栄養士がいることをアピールして、栄養士の活躍の場を広げていけたら理想的ですね。

薬局入口に掲示された栄養相談の案内


保険薬局は今まで以上の役割を求められています。
これまでの業務だけに留まらず、より広い活躍をしなくてはいけない薬局にとっては、管理栄養士という存在は非常に重要になってくるのではないかと感じました。
管理栄養士をはじめとする薬局で働く薬剤師以外の専門家の活躍が、今後より大きく広がっていくことに期待していきたいです。

Activeプラス編集部(2024年1月11日取材)

東京都 練馬区
なの花薬局 大泉学園店

薬局情報

名称なの花薬局 大泉学園店
住所〒178-0061 東京都練馬区大泉学園町4-22-4
URLhttps://www.nanohana-ph.jp/shop/kanto-koshinetsu/tokyo/nerima/oizumigakuen.php
電話03-5905-7022

地図・アクセス

大泉郵便局バス停より徒歩1分