PICKUP薬局

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PICKUP.022
“売り”は「人」、親身な接遇と在宅訪問で信頼得る

東京都 中央区
越前堀薬局

東京の下町、八丁堀に店舗を構える越前堀薬局の創業は、1923年に首都圏を襲った関東大震災がきっかけでした。自らも被災しながら、苦しむ多くの人々の助けにと、それまでの乾物商を売薬店に改めやがて1世紀。経営者の犬伏洋夫さん(以下敬称略)が「当薬局の“売り”は『人』です」と語るように、店頭での接遇、薬剤師が在宅を訪問しての服薬管理指導など、熟練スタッフによる親身な健康支援は、地域住民から厚い信頼を得ています。

先生の写真

越前堀薬局の経営者、犬伏洋夫さん。薬剤師による在宅訪問を一手に引き受けています。

―元ホームレスの方への服薬サポートが在宅訪問のスタートとうかがいました。

犬伏 生活保護を受けていたご近所の方ですが、脳梗塞を患われ、再発予防の薬が欠かせませんでした。ところが一包化された薬もきっちりと飲めていない。そこで毎日、昼休みに服薬のため患者宅を訪問していたある日、担当のケアマネジャーにお会いし、それがご縁となって訪問先が徐々に増えていきました。
実は私自身、その時は在宅訪問について十分に理解していなかったのですが、そのケアマネジャーも薬剤師と協力して患者ケアをするのが初めてだったようで、「薬剤師はこんなこともされるのね」と驚かれました。今になって考え直してみると、このリアクションとそこから広がって行った患者とのつながりが私の薬剤師人生を大きく変えたような気がします。

―現在の訪問先は何件ほどですか?

犬伏 在宅訪問の業務は私一人で担っているので12~3件です。月に1回や2週間に1回、あるいは毎週のように訪問するお宅もあります。これでけっこう手一杯です。
一例ですが、コロナ禍の影響でヘルパーが院内処方の調剤待ち時間に付き添うことができなくなり、通院困難の患者が薬を受け取って帰ることができなくなってしまった例がありました。その事例については、私が代わりに医療機関に薬を取りにいって定期訪問の際に合わせて持参することにより、その患者の通院治療の継続が可能になりました。これは患者の利便性だけではなく、薬局薬剤師が病院薬剤師から直接処方薬を受け取ることにより、その場で患者についての情報交換ができ、自然な形での薬薬連携が実現するといった思わぬメリットを感じる意外な結果になりました。

また、別の例としては、認知症で睡眠薬を過量服用してしまう高齢女性宅に対して、1年半ほど毎日定時に服薬指導のため訪問しました。やがて独居が困難になり高齢者向け施設に入居されたのですが、その施設に指定薬局があったにもかかわらず、ご本人の希望で私が引き続きお薬の管理をすることになり、そこから施設に入居している他の患者についても担当して欲しいとの依頼を受けることになりました。
このような薬剤師の行動が評価と結果につながるという貴重な経験をさせていただいたことがきっかけで、ますます薬局でもさまざまな人との出会いを大切に考えるようになりました、これはスタッフも全く同じように思っているはずです。

在宅へ向かう様子

担当する患者宅へ在宅に向かう様子。歩いて行くときもあれば、自転車で向かうこともあります。

―それが「売りは人」ということですね。

犬伏 1996年ごろから本格的に保険調剤に取り組み、OTC薬などの販売と調剤のウエイトは逆転してしまいましたが、地域に密着した薬局としての姿勢を堅持することは忘れません、そのために人と話す事が好きなスタッフが私たちの薬局にはたくさんおります。処方箋は月に約250医療機関から1日平均80枚ほどを応需していますが、初めからこのような状態になったわけではなく、今いるスタッフが努力して人間関係で広げてきた現状だと思っています。

薬剤師は多めに設定しておりますし、一般用医薬品の専門家というだけでなく、患者に頼られる実力のある登録販売者もおり、さらに処方箋を入力するだけではなく、患者と話をすることにより薬の説明に入る薬剤師が円滑にコミュニケーションを取れるようにサポートしてくれる事務もいます。幸い離職率が低く20年選手のスタッフも多く、各自が社是の「私たちの仕事は単なる作業でないことを理解して表現します」を実践しており、私からは社員に対して常に「深化」することを求めています。

―今後、目指すものはなんでしょう。

犬伏 かねてから取り組んでいる薬剤師が調合販売する薬局製剤に、あらためて注力したいと思っています。調剤のウエイトが高まると、処方箋を持たない患者はなかなか来店しづらいものです。OTC薬などの販売に加え、薬局製剤を強化することで、そうした方の来店につながればと考えています。

 
OTC販売コーナー

店舗には約1500品目のOTCを販売しています。多くの方にご来店いただけるように、調剤に力を入れると同時にOTCにもこだわっています。

  

―本日はどうもありがとうございました。

10階建ての自社ビル2階には、4代目の父親と実弟が営む鍼灸院が入居しています。鍼灸師から漢方薬を勧めたり、逆に整形外科に通院している患者には鍼灸治療を紹介したりと、コラボレーションが実現しています。店頭に鎮座するシンボル・マスコットのセント・バーナードは、今や地域のアイコンです。


店頭のマスコット セント・バーナード

救助犬として知られるセント・バーナードは薬局のシンボル・マスコット。寄り添いサポートする存在でありたいという願いが込められています。コスチュームは季節に応じてスタッフが考案。夏の時季は麦わら帽子に虫取りカゴをぶら下げています。

Activeプラス編集部

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東京都 中央区
越前堀薬局

薬局情報

名称越前堀薬局
住所〒104-0033 東京都中央区新川2-17-12 Eビル1F
URLhttp://echizenbori.com/
電話03-3551-9933

地図・アクセス

JR京葉線 八丁堀駅B4出口から徒歩1分