PICKUP薬局

すこやか薬局 知花店

PICKUP.09
患者さんや家族のこころの拠り所へ 薬局が地域で成せる役割をもう一度考える

沖縄県 沖縄市
すこやか薬局知花店

沖縄県知花市にある薬正堂すこやか薬局知花店。そこでは1型糖尿病(IDDM)患者やその家族に寄り添う取り組み「IDDMカフェ」を開催しています。 今回はIDDMカフェの発起人となったフロアコンシェルジュの銘苅様にお話を聞かせていただきました。
(以下敬称略)

ーまず、銘苅さんが就かれているフロアコンシェルジュとはいったいどんな役割なのでしょうか。

銘苅  フロアコンシェルジュは、言わば薬局の総合受付ですね。受付の際のお手伝いや、患者様のお車の手配やご家族との連絡、待ち時間が長くなる場合の案内、 お子様連れの方がいらっしゃった際は投薬やお手洗いの間お子さまをお預かりすることもあります。また、来局された皆様と待合室で何気ない会話から患者さんのお薬の事や生活に関連した相談に発展する場合もあり、 そのたびに薬剤師へ繋ぐ事も行っています。

―フロアコンシェルジュがいることで、薬局の機能を存分に発揮できているんですね。
知花店では地域のための取り組みとして、IDDMカフェを開催していると伺っています。始めたきっかけを聞かせてください。

銘苅 IDDMカフェを始めたきっかけは、私の娘が1型糖尿病であることが大きく影響しています。娘の成長過程で感じたのが、1型糖尿病が世間に認知されていないという事でした。
私は縁あって薬局のフロアコンシェルジュとして従事することになりました。これまでの経緯を薬局薬剤師と話し合いを持ち、共感してもらったことがきっかけです。この状況を少しでも改善するため、薬局でできる事を模索した結果、 IDDMカフェを立ち上げることにしました。

カフェの様子

IDDMについて、まずは理解してもらう事が重要です。

―IDDMカフェを開催するねらいや、みなさんの参加のきっかけはなんでしょうか。

銘苅 カフェを開催した理由はⅠ型糖尿病患者さんが感じている日常をまず理解し共有して頂きたいという事でした。そのためにはこれまで子供たちと深く関わりを持つ医師や看護師の方だけでなく、薬局薬剤師はもちろん、 さらに子供たちの生活に密接にかかわりを持つ学校関係者などへお声かけし、ご両親にもお集まりいただきました。
この会を通して、1型糖尿病患者個人の心のケアが出来ました。若年期に発症するこの疾患は、本人もよく理解できていなかったり受け入れられなかったりします。 なぜ注射を打たなくてはならないのか、なぜ食事につい注意をするのかなど、みんなと違うことをつらいと思う子も多くいます。IDDMカフェを通じて同じ悩みを抱えた方が集まることで、 一人じゃないみんなと頑張ろうという環境を作ることが出来ました。
また、ご家族や周りの人のケアも大切です。先述した通り、若年期で発症する事の多いこの疾患は、家族や周りのサポートが必要です。本人たちも大変ですが、支える立場の負担も多くあります。 自分より本人がつらいから弱音を吐けない。そんな風に抱え込んでいる人が多くいました。カフェにきて少しでも肩の荷が下せるよう、みんな同じように悩みを抱えていることを共有し、経験者の方からは助言や経験談を聞いたりし、 悩みを吐露できる場となりました。
更にこのカフェを通して患者さんの身近な方の協力が不可欠であることを認識して頂けたことが本当に良かった。 このカフェには患者本人、家族や周りの人以外に、医療関係者や学校関係の方にも参加頂いています。患者本人たちは何か特別扱いして欲しいとかという事ではなく、日々感じていることをわかってほしいという事です。 例えば、薬局薬剤師へは薬局で「インスリンはしっかり打てている?」など大きな声で聴いたら子供は委縮しちゃう。それから、学校の先生にはインスリンなど薬剤使用する環境が整うことでこの子たちは通常の生活が送れるということを 理解してもらいたい。それを特別なことではないことを理解してくれて、普通にみんなが接してもらえることが一番なのです。

インスリン

インスリンは命をつなぐもの。でもそれは特別なことではありません。

―カフェに参加されている患者本人や周りの方々の反応はいかがでしょうか。

銘苅 本人たちは、やや戸惑いもありましたが、自分と同じような人の話や年上の先輩方の経験談を聞いてゆくうちに次第に興味津々に自ら聞くようになり「中学校はどう?スポーツはできるの?」など。 性別や年代が違っても、同じ悩みを理解し相談できる人ができたことを嬉しそうにしています。
また、経験者からの言葉には重みがあります。様々な場面での対処法など、本人たちは素直に聞いているようでした。 また、このカフェに参加した医療関係者や教育関係の方の考え方が変わりました。本人たちがどんな事を思っているか、生活の背景がしれるので理解が深まります。 正直なところ、子供たちが悩みを打ち明けられるのが誰なのかはわかりません。医師かもしれないし、看護師、教師、薬剤師、栄養士かもしれない。誰が本人にとって一番頼りになるかはその本人次第です。
よってなるだけ多くの方に理解して頂く事が重要で、いろんな職業の方が関わることで子供たちの生活が守られていくのだと思います。

参加者の様子

多職種でIDDMについて見つめ直します。

銘苅さん

講演をする銘苅さん。自身の経験から参加者に想いを伝えます。

-カフェを通して感じた課題などはありますでしょうか。

銘苅 今感じている課題は、大人になってからの1型糖尿病との付き合い方です。成人を迎えると、今まで受けていた助成等もすべてなくなります。中には経済的な側面が問題となり通院をやめてしまう方もいます。 他にも、思春期になると特に女性は体形を気にしてインスリンを調整し打たないことも出てきます。しかし、しっかり治療を続けていかないと、合併症の危険に曝されますが、残念なことに気づいたときには手遅れになってしまう例もあります。 今後は社会全体で、支えていく制度を考える必要を感じています。

-今後の展望はいかがでしょうか。

銘苅 今後は、このカフェを通じてもっと多くの方に1型糖尿病を理解してもらいたいです。今は小さな輪ですが、少しずつ広げていって住みやすい社会にしていけたらと思っています。 薬局という場所がよき理解者がいるところと感じてほしい。小さいころから、大人になっても何気なく顔を見せに来てくれる、地域に根付いた場所でありたいと思っています。

比嘉 当薬局には様々な患者さんが来局致します。 特に生活習慣病の患者さんが多いのですが、我々薬剤師は治療の安全性や有効性を確認することが服薬指導の基本なので、どうしても薬が飲めているか等を聞くことが多くなります。 そこで、最も重要なことは患者さんの生活背景や患者さんの思いや価値観を理解することです。 そこをないがしろしては患者さんの本音を引き出すことは出来ません。
このIDDMカフェを開催し改めて患者さんとの関係性の大切さを知ることになりました。保険薬局薬剤師として、すべての患者において寄り添う存在でありたいと強く感じた次第です。

ポスター

開催時のお知らせ。機会があれば皆さまもご参加してみてはいかがでしょうか。

今回は沖縄県沖縄市でIDDMカフェなどの取り組みをされているすこやか薬局知花店さんにお話を伺いました。
1型糖尿病の患者さんにとって生活しやすい環境作りに積極的に活動されていてとても感銘を受けました。

銘苅様、知花店の皆さん、ご協力ありがとうございました。

Activeプラス編集部

すこやか薬局

沖縄県沖縄市知花6-38-5
すこやか薬局 知花店

薬局情報

名称すこやか薬局 知花店
住所〒904-2143 沖縄県沖縄市知花6-38-5
URLhttps://www.sukoyaka.cc/shop/
電話098‐921‐4076

地図・アクセス