北海道内を中心に50余店を展開するナカジマ薬局。札幌市内に店舗を構える西円山店は、精神科の処方箋応需をメインに薬局業務を行っています。待合室にはアロマの香りが漂い、片隅には自由に利用可能なマッサージチェアも……。店づくりで注力したポイントを同店店長で薬剤師の林 一美さん(以下敬称略)にお聞きしました。
お話を伺った、ナカジマ薬局 西円山店 店長 林さん
―店づくりで留意されている点はなんでしょうか?
林 応需している全処方箋の65%ほどが精神科から発行されていることなどから、待ち時間の間、患者様にゆったりとくつろいでいただけるような空間を演出しました。店内は茶色を基調とした落ち着いた内装で、LED化された照明にも暖色系を採用し、患者様にはストレスがかからないよう心掛けています。
ブラウン系の色調でトータルコーディネートされた待合室。 ゆったりとしたスペースで、くつろぎの空間が演出されています。
―特にこだわったところはありますか?
林 精神科の患者様が多いので、プライバシーには十分配慮し、お薬の受取口は、パーティションを設けたブース型と完全個室の2つのカウンターを用意しています。また、リラックスできる空間づくりを目指して、店内ではアロマを焚いています。アロマは、当社が帯広市内で展開しているアロマ雑貨の専門店「HOT STORE」で取り扱っている商品で、5種類ほどの香りを数日ごとに入れ替えています。
精神科の患者様が多く、お薬受取口はプライバシーに配慮し、パーティションを設けたブース型のほか、完全個室が用意されています。
店内に漂うアロマの癒やしの香りが、患者様をやさしくお出迎えします。
自由に利用できるマッサージチェアは、処方箋を持たない方の来店にもつながっていますね。さらに、社員や患者様からご提供いただいた文庫本を無料貸し出しする「いっぷく文庫」やハーブティーのサービスも、とても喜ばれています。
(新型コロナウイルス感染症の影響で文庫とティーのサービスは現在休止中)
人気のマッサージチェア。処方箋を持参せず、2日に1回は利用されるご近所の方もいるとか。
文庫本の無料貸し出しコーナー「いっぷく文庫」には、小説のほか、旅行ガイドや家事などの実用書もラインアップ。
―アロマやハーブティーは店内で販売もされています。
林 処方箋をお持ちでない方にもご来店いただきたいので、くつろぎや癒やし関連製品のほか、一般用医薬品など健康・ヘルスケア関連の商品も取り扱っています。他店と差別化を図り、当店のイメージにマッチしたこれらの商品は皆さんから好評で、ちょっとしたギフト感覚でラッピングを希望される方も少なくありません。簡易なものですが、そうしたラッピングのニーズにも応えられるよう資材を用意しています。
店内の一角では、ナカジマグループの専門店「HOT STORE」で取り扱うアロマやハーブティーなどの販売も。
ミニ「HOT STORE」との位置付けで、ギフト希望者にはラッピングサービスも行っています。
―今後の取り組みについてお聞かせ下さい。
林 小規模店ならではの特徴を活かして、きめ細やかな対応をしていきたいですね。例えば、薬だけでなく生活面からも患者様にアプローチし、栄養士による定期的な相談会は今後とも継続して開催したいと考えています。
ナカジマ薬局の創業は1977年8月。当時はまだ、処方箋を薬局に持参し調剤する「医薬分業」が一般的な時代ではありませんでした。それから半世紀近く。店舗づくりや患者サービスで、同社は時代の先頭を走ります。その企業理念は、医療の主役は常に患者であるという「患者様中心主義」です。
ナカジマ薬局 西円山店の皆さん 取材協力ありがとうございました。
Activeプラス編集部