PICKUP薬局

かけづか 店舗

PICKUP.024
過ごしやすい空間で、より深い関係を構築

群馬県 伊勢崎市
共創未来 かけづか薬局

群馬県伊勢崎市にある共創未来かけづか薬局。
今回は医療・介護の新たな拠点を目指す共創未来かけづか薬局の薬局長、木村先生に薬局作りの狙いから今後の展望までお聞きしました。(以下、敬称略)

-薬局の概要と特徴をお聞かせください。
かけづか薬局にはどのような特徴があるのでしょうか?

木村 保険薬局の暗く閉塞的なイメージを払拭し、明るく開放感のある空間と処方箋を持参しなくても地域の誰もが訪れるコミュニティを創りたい!そんな想いで薬局運営に取り組んでいます。 当薬局は、医療・介護の新たな拠点を目指し色々な事に挑戦しています。総合病院や近隣の医療機関から様々な処方箋を応需しており、様々な悩みをお持ちの方が訪れます。 また、介護が必要な患者様も多くいるのでお薬を渡すだけではなく、薬局で力になれることは積極的に協力しております。 大きな特徴としては「工夫した薬局づくり」と「薬局スタッフでの連携」が挙げられるかなと思います。

-工夫した薬局づくりとは、どのようなところですか?またどういった思いでそのような薬局づくりをしていますか?

木村 まずは、患者様が入りやすいという点を意識しています。単純に入りやすいというと、広くて落ち着けるという場所を想像するかと思います。しかし、それはあくまで薬局内にいらっしゃる人が「過ごしやすい」であって「入りやすい工夫」はまた別です。 当薬局では神経系の疾患を抱えていたり、体が不自由な患者様が多くいらっしゃいます。
まず薬局内に入るときの負担を減らすため、駐車場はギリギリまで入口に近づけ、スロープを設け店外へ手すりも設置いたしました。気軽に入りやすい薬局にすることはもちろんですが、物理的にも入りやすい工夫は大切だと思っています。 また、店内のレイアウトも妥協はしていません。薬局内で動きやすいレイアウトや患者様へのできる限りの配慮を意識しています。例えば、薬局内も丸椅子などを設け患者様同士のソーシャルディスタンスの確保や、目線が不用意に合わないような椅子の配置にしています。 お薬の待ち時間が少なくなるようには努力していますが、どうしてもゼロにはできません。その待ち時間を少しでも快適に過ごして頂けるような工夫は欠かさず行っていきたいと思っています。

落ち着いた内装で、お薬を待っている間もゆっくりとくつろげます。

入口すぐに駐車場やスロープを設置しています。

-薬局づくりへも思いやりが感じられますね。薬局内での連携の部分はいかがでしょうか。

木村 当薬局では、「フロアコンシェルジュ」というスタッフがおり、患者様のファーストコンタクトを対応しています。
フロアコンシェルジュは薬局に長く勤めており、患者様とも顔なじみなので、気を遣わずお話ができていると思います。 また、初めてお越しいただく方にも丁寧に説明し、お急ぎなのか、何かお困りごとはないのかきめ細かな確認を心がけています。 投薬時に必要な情報を予めキャッチアップし共有するため、無駄なヒアリングから始めることなく、患者様が一番話したい、 聞きたいポイントから会話をスタートできるので、患者様の貴重なお時間を無駄にしないように工夫している点だと思います。 中には、フロアコンシェルジュがいることで処方箋をお持ちでなくとも気軽に立ち寄ってお話だけしていかれる方もいらっしゃいます。 そういった雑談の中でも患者様の些細な悩みを聞き出して、薬剤師と連携をすることでお薬の適正使用に繋げるなど、より精度の高い医療を提供できるように努めています。

患者様から頂いた様々な作品コーナー。地域密着ならではの、患者様との近い距離を感じますね。

-素晴らしい工夫を多くされていますね!なぜそこまで工夫をされているのでしょうか?

木村 薬局内で快適に過ごして頂きたいのはもちろんなのですが、「患者様ご本人がお薬を取りにいらっしゃらない」という問題を解決したいという想いから始めました。 以前までは、代理人や家族の方がお薬の受け取りに来られていました。 そこで理由を聞いたら、「車椅子だから入れない」や「薬局でも待つのがつらい」という声が多かったです。
「薬局に入りにくい」、「薬局内で快適に過ごせない」そんな理由で患者様との関わる機会を失ってしまうのはとてももったいない事です。 病院にはご本人が行かれているのに、薬局にはお越しいただけない。そんな現状を変えたかったです。 もちろん、本当に具合が悪くて代理の方が来て頂く事は問題ないのですが、極力ご本人とお話したいと思っています。 また、ご本人と直接お話できることで、きめ細かなフォローアップが実現できます。 中には、ご本人と話したおかげで必要な情報をキャッチでき、主治医へ情報を共有したケースもありました。 そういった面からも、薬局にご本人が来ていただけるような工夫は患者様の医療への貢献にもつながる第一歩だと思っています。

-薬局でのOTCや物販などについてもお聞かせください。販売について何か工夫していますか?

木村 第1類医薬品には力を入れています。それはもちろん、薬剤師の責任として、医薬品を適正に安全に必要な人に提供したいという想いからです。 ですが、私の考えでは、OTC医薬品を売るのは薬局としては最低限の事だと思っています。 地域の皆様のニーズに沿った物販も展開してこその、地元に根付いた薬局です。 当薬局では、減塩や低糖質の食品はもちろん多く売れていますが、中でも一番売れているのは介護用品です。こちらは使用されるご本人はもちろん、介護士やご家族の方にも大変メリットがあるかと思います。 まずご本人ですと、介護用品を買うのが恥ずかしいなど抵抗がある方がおられます。しかし、薬局という場所でなら気楽に買えると好評を頂いております。 薬局で薬の待ち時間に薬剤師やフロアコンシェルジュと相談し商品を選定できます。

物販も沢山の種類が陳列されており、季節に合わせて一部変更されるそうです。

介護用品も取り扱っています。

-目指す医療の実現のために、まず薬局ができる工夫をされているのですね。今後の展望はいかがでしょうか。

木村 まずは、薬局が地域において頼りにされる存在になることです。先程申し上げた「ご本人がいらっしゃらない」理由には薬局に行っても薬をもらうだけと思われている方が多くいるからという面もあります。 薬局ができることは、まだまだたくさんあります。地域連携を図り医師や看護師、介護士や栄養士など多くの職種と関わりを持ち、薬局の存在をアピールすることがこれからは重要です。 地域の医療の拠点となり、在宅訪問などを通して薬局の役割を確立することで、薬局に対する医療貢献への評価を覆したいです。 薬局ができることをアピールすることで、患者様や他職種から悩みや相談事を「まずは薬局に聞いてみよう」と頼りにされたいですね。 それが地域に貢献する本当の薬局の姿だと、私は思っています。

-あとがき


地域に頼りにされる存在を目指して、まずは目の前の問題から真摯に取りかかっている かけづか薬局。今後、チーム医療の一員としてますます期待される薬局になるように様々な工夫がされていますね。
かけづか薬局の皆さん、取材協力ありがとうございました。

Activeプラス編集部

群馬県 伊勢崎市
共創未来 かけづか薬局

薬局情報

名称共創未来 かけづか薬局
住所〒372-0006 群馬県伊勢崎市太田町421
URLhttps://www.phmirai.co.jp/shops/detail.php?id=182
電話0270-30-3080