処方箋が無くても気軽に相談に立ち寄れる、地域の身近な薬局を目指して。
スタッフが協同し、様々なイベントを開催する、株式会社フォーラルのとまと薬局・山崎様（以下、敬称略）にお話をお伺いしました。
―薬局・薬剤師として工夫している点についてお聞かせ下さい。
山崎 当薬局は、健康サポート薬局でもあるのでOTC医薬品は、配置が定められた全ての薬効分類のものを配置しており、必要に応じて販売をしています。ただ、皆様にはできるだけ薬を飲まずに、健康になって欲しいと考え、薬剤師と管理栄養士が連携して患者さんの予防の相談に乗っています。
―管理栄養士との連携について具体的にお聞かせ下さい。
山崎 とまと薬局は、薬剤師と管理栄養士が連携を取り栄養相談や健康増進に寄与したセミナーを実施しています。管理栄養士がオリジナルレシピを作成し、薬剤師が店舗内への掲示とフォーラルの情報誌へ掲載の他、クックパッドに掲載もしています。
健康に関する情報やフォーラルの薬局紹介、セミナー情報、レシピ等が載っている情報誌。薬局での取り組みを地域の方にも知ってもらい、ファンを増やしていきたいという思いが込められている。
―店舗では、どのような取り組みをされていますか？
山崎 地域の方に自分の健康について考えていただくきっかけを作りたく、毎週火曜日に、薬局で体を動かしてもらいたいと、江東区のご当地体操である「KOTO活き粋体操」を実施していました。和気あいあいとした雰囲気で、患者さん同士の会話も生まれます。ご高齢の患者さんも多く、お家にこもりっきりになることでフレイル（虚弱）が進んでしまうこともあるので、その予防のためにもと考えています。
現在はコロナ禍で開催できない状況ですが、YouTubeの動画のご案内チラシを作ったり、薬局内のモニターでも体操の動画を流したりしていて、運動するよう促しています。
広い待合室を思いっきり使ってのKOTO活き粋体操
他にも、ストレッチ等の運動セミナーを実施。薬や栄養だけでなく、運動も取り入れて地域の方に元気になってもらいたい。
その他に、地元の小学生に薬剤師の仕事を知ってもらうため薬剤師体験セミナーを行いました。調剤の体験をしてもらったり、薬をちゃんと飲まないと害になることも伝えようと、劇仕立てで説明をしています。
調剤の体験では、ジュースを水剤に見立てて量り、市販のクリーム剤で軟膏を混ぜる体験をします。また、タブレット菓子を使って錠剤を集める作業や、粉ジュースを使って散剤を分包する体験もします。それに処方箋や薬情を模したものを添えてお土産にしています。
劇は、スタッフがストーリーを考えています。新入社員のセミナー実施体験の場にもなっていて、薬のことだけでなく、栄養に関することや、手洗い、うがいの大切さも伝えています。
栄養士体験セミナーでは、食材カードを組み合わせるお弁当作りゲームを通じて、バランスの良い食事の必要性について学ぶ食育を行う。
体験セミナー後のアンケートでは、「薬剤師になりたい」という項目に丸を付けてくれる小学生が多く、嬉しい感想ばかり頂きます。セミナーを受けた子が、将来薬剤師になる！と、薬学部に行ったという話も聞きました。参加した方だけでなく、私たちも楽しんでいますが、参加者に喜んでもらえることを一番嬉しく思います。
糖尿病や高血圧等の病気をテーマに、薬や食事、生活上で気を付けることをお話しする疾患別セミナー。
（※現在、各種セミナーは新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開催を見合わせております。）
―今後どのように地域に貢献していきたいですか？
山崎 薬局をもっと身近に感じてもらえるようにセミナーを開催してきたので、地域のコンシェルジュのような存在として、処方箋が無くても、どんなことでも、いつでも相談に乗れる場所になっていけばいいなと思います。そのためのアピールも今後必要なのかなと考えています。
もちろん薬でないと治せないものもありますが、地域の方が普段の生活で、少し気を付けることで疾患を予防できるのであれば、その意識付けにも貢献していきたいです。
薬をもらうだけではなく、何でも相談できる身近な存在としての薬局を知ってもらえるようにと、様々な取り組みを通じてきっかけづくりをされてきたとまと薬局。
ご当地体操や近隣の小学生へのセミナーといった、地域に根差していく姿勢が印象的でした。
また、得意分野も活かしたスタッフ間の連携により、日々の生活に取り入れられる予防法にも注力されています。
とまと薬局の皆さん、ご協力ありがとうございました。
ご協力ありがとうございました。
Activeプラス編集部