思わず目を引くお洒落な外観。一目見ただけでは、調剤薬局だとすぐに分かる人は少ないのではないでしょうか。よく知る調剤薬局のイメージとは「一転」した店舗づくりについて、今回は、代表の藤井さん、薬剤師の鬼木さん、管理栄養士の近藤さんにお話しをお伺い致しました。（以下敬称略）
今回お話をお伺いした、薬剤師の鬼木さん（左）と管理栄養士の近藤さん（右）。
―店舗づくりに対するこだわりは何でしょうか。
藤井 「処方箋がなくても入っていいんだ」と思ってもらえるような薬局を目指して、店舗づくりをしているところです。小豆坂店では、看板に薬局名は大きく書かず、主張しないデザインにすることで、処方箋がないと入れないと思われてしまいがちな調剤薬局のイメージを取り払ったデザインになるようこだわりました。
また、ＳＮＳでイベントや店舗についての情報を発信することで、興味を持っていただき処方箋がなくてもお店にご来店いただけるように工夫しています。
店内の写真。外観だけでなく店舗全体のデザインにこだわりを持っています。
―サプリメントの販売に力を入れているとお伺いしました。工夫されていることは何でしょうか。
近藤 薬局では、品質へのこだわりと一人一人に合ったサプリメントを提案しています。中国製の素材は使用せず、原料にこだわってオーダーメイドしています。店舗にはサプリメントを販売する専用のバーカウンターがあり、約20種類のサプリメントを用意しています。初めに問診表を記入してもらい、普段の悩みや食事など、その方の生活習慣を把握することで、お客様に合ったサプリメントを提案しています。
お客様に合わせて1錠単位でご提案することができます。
―サプリメント専用のバーを造った理由は何でしょうか？
藤井 普段サプリメントを飲む人は多いと思いますが、飲む人の大半が「何となく良さそう」と思って飲んでいるのではないでしょうか。だけど、自分にとってそのサプリメントが良いかどうか専門家と相談する場所はないなと思ったことが最初です。
例えば薬局の窓口に来てくれたら薬剤師と相談はできますが、薬局は処方箋がないと入れないイメージが定着している以上、相談に来るという行動にはならないだろうと思いました。そこで、あえてイメージを逆手に取り薬局内にサプリメント専用のバーを造ることで、処方箋がなくてもサプリメントの相談を目的に薬局を利用していただけるのではないかと考えました。本人にとっても今飲んでいるサプリメントは必要なのか相談ができるし、逆に飲む必要がない場合にもアドバイスができます。サプリメントを通じて患者様の行動変容が起こせるようにすることがスタートラインだと考えています。
管理栄養士によるカウンセリングの下、サプリメントを選ぶことができます。市販で買う時とは違い、自分に不足している要素が何かをしっかり把握することで安心して服用出来ます。
―ヘルスチェックも店内で行われているようですが、他店との違いは何でしょうか。
藤井 研究機関でも使用されているような体組成計を取り入れているため、体の中の詳細な筋肉量や水分量、体脂肪率など部類別に精密に測ることができます。そのため、高精度で整合性が取れたデータをお伝えすることができます。また、サプリメントと同様、初めに問診票に記入をしていただき食事や生活習慣を把握した上で測定を行うので、測定後のデータと問診票を合わせて専門家がどう見立て、どのような状態かをお伝えできることは他店との違いでもあり、価値があることだと思っています。あえて有料にすることで、お客様にも価値を理解していただくことをベースに行っています。
本格的な機械を使用することで、体の状態をより正確に把握することができます。健康的な体づくりのために、プロに客観視してもらうことで、自分では気づかなかった変化も知ることが出来ます。
―その他、マインドフルネスを取り入れているとお伺いしたのですが、実施したきっかけを教えて下さい。
藤井 体の健康だけでなくもう１つの論点として、心の健康へのアプローチもできるのではないかと思い取り入れたことがきっかけです。マインドフルネスの概念であるヨガを医療の要素として取り入れることで何が提案できるかを考え、体験内容を決めました。体験を行う前に機械で交感神経と副交感神経のバランスチェックを行い、体験後に再チェックすることで効果を数値で表せるようにしてます。体験後どのような変化があったのかアドバイスをするのは、薬剤師だからできることだと思っています。
鬼木 実際の体験では、1セッション4人まで体験できるスペースを設けております。年齢層や性別も片寄りなく多くの皆様にご体験いただいています。完全予約制で、予約が入り次第随時実施をしています。
（現在、コロナの影響により1セッション1人で実施しています。）
薬局では珍しいマインドフルネスを取り入れています。正しい食事や運動等を行うだけが健康に繋がるわけではなく、ストレスを減らし心も元気でいることが健康に繋がると考えています。
―今までの取り組みを踏まえて、今後地域に貢献していきたいことは何でしょうか。
鬼木 店舗にOTCも置いているのですが、どれも健康に興味がある方に受け入れていただけるよう、成分などにこだわってセレクションしています。そういったおやつや健康食品を求めている方に「もっとこういう商品が欲しい」と言っていただけることが多いため、こういったところでもニーズに応えられるようにしていきたいです。
また、薬局の役割は「調剤だけではない。処方箋がなくても薬局を利用できる」ということを今後も取り組みを通じて広めていくことで、より多くの皆様に利用していただける店舗にしていきたいと思っています。
Activeプラス編集部
